こんにちは!
高円寺のシアターカフェ プロセニアム様にて、読み合わせカフェプレミアムを体験してきました。
作品は「モルフェウスの魔境 女神の剣 編」
脚本は飯塚未生(ヅカ★ガール)
2022年11月9日(水)~11月13日(日)にかけて公演されていた作品です
超楽しくて、良い作品でした
まずはヅカ★ガール様と読み合わせカフェ様に底なしのリスペクトと感謝を...!
この日のストーリーテラーは杏奈さん
読み合わせカフェプレミアムってどんな感じなのか?備忘録を兼ねてざっくり書いていくのですが、先に結論として
1人or初参加で迷ってる人こそプレミアム
ということを伝えたいです。
ちなみに、本記事最後の方はキャラのこと、主にバルバラ博士好き好き怪文書
読み合わせカフェの情報を知りたい方は前半部分で事足ります。あしからず。
とにかく、読み合わせカフェプレミアムを体験してもらって、たくさん感想とか言い合う未来が来ればいいなの気持ちです。
あ!通常版は別の楽しさがあるのでそちらの感想は別記事にございます。よろしければタグから是非に。
そもそも何がプレミアム
プレミアムと通常の読み合わせカフェの異なる点として、読み合わせ時間の長さと演出の有無が挙げられます。
通常営業で選べる脚本は長くて一作30分くらいですが、プレミアムは60分を超えます
また効果音の演出もあり、ト書きはストーリーテラーさんが読んでくださいます
効果音やト書き読み、すごくありがたいです。次の台詞を読む準備ができて入りやすくなるのでテンポが崩れにくい。
さらに、プレミアムの演目中は貸し切り状態なので自分たちだけの静かな空間で脚本に没頭できます。聞き取りやすさも段違い
これは個人的に感じたことですが通常版で読める脚本よりも、登場人物の設定や世界観が詳細に記載してあるので、役のイメージがしやすいです。
かなり入り込めるので終わったあと、つい役名で呼んでしまうようなあの感じ。
マーダーミステリーやCoCなどで普段から個性的なキャラクターになりきってる人たちにとっては、プレミアムのほうが慣れてるかもしれません。
妖しさとカッコよさに溢れた素晴らしい非日常をプレミアムなら思う存分表現できます
会場であるシアターカフェプロセニアムの雰囲気、ベネ。
開始準備
全員が集まり、定刻になる
まず軽く自己紹介をします。私のようにプレミアム初参加の人もいればTRPG・CoCプレイヤーさんから本職の舞台俳優さんまで...!
あそびなので、参加のボーダーはありません!誰でもウェルカム!!
その後キャラクター紹介、脚本の読み方や内容について説明を受けます。自分が読むところやイントネーションのことなど、とっても丁寧です。
また、読み合わせ中に具合が悪くなった場合の対応などもアナウンスがあります。すごく配慮されている。
さて、いよいよ配役希望を出していきます。このときは希望する役を指さす方式
私はバルバラ・ファントムに決定!!
幸運にも第1希望を単独指名できました。希望理由は説明が魅力的なのとセリフが多いと聞いたからです。
台詞の多いキャラは事前にスタッフさんが教えてくれます。
台詞の量や出番に差はありますが、どのキャラも超魅力的で見せ場たくさん。全員印象的です。
ルゥナとシリウス
ロックとマカロン
このあたりはニコイチ感あるので、好きな人は演じてみるといいんじゃないかな...!
とはいえ、私のおすすめは断然バルバラ博士です。選んで良かった好きすぎる。マジで好き。最高に楽しかった。
配役が決まったら台本とキャラクター紹介を5分ほど読み込みます。
台本は1人1冊。自分のセリフにのみマーカーで色がついてるのでご安心。
台本とは別に用意されてるキャラクター紹介、これが素晴らしい
添付したキャラクタービジュアルの裏側に記載されてるのですが、キャラクターの人となりや関係性が記載されており、演じ方のアドバイスもあります。
このアドバイスは「こう演じてね」という指示ではなく、物語の進行に沿った感情の導線をふんわり明記してくれる感じ。
書いてある台詞と自分が乗せる感情のギャップを埋めてくれるので助かります。
マーダーミステリーでありがちな、前半のロールプレイを強めに読んだら後半ぜんぜん違う心情描写になって気まず...!みたいなことを防いでくれるので超助かります。
ちなみにですが、この時間でドリンクの購入が可能です。
喉を温めたかったので紅茶をチョイス。
カップ&ソーサーのセンスが抜群!
準備できたらいよいよ読み合わせ開始、ストーリーテラーのト書き読みから物語に入っていく...
上演中のこと
始まったらノンストップで読み合わせをします。今回の演目は60分くらい。
ひたすら台本を追い読み合わせます。
生の人の声で空間が満たされていく感じはオフラインならでは。
空気の震えや表情の変化、相手の読み方を受けて臨機応変に演技をしていきます。
本当の舞台みたいに転換や出ハケが無いですし、マーダーミステリーみたいにゲームとしてのルールもありませんので集中が途切れにくい。
各キャラクターに向き合い、相手の感情を受け止め、冷静な頭で熱く返す。これを最後までノンストップで雑念が入ることなくできるっていうのがプレミアムの良いところだと思いました。
良い台詞を良いキャラとして演技できるのが贅沢で楽しい。
普段なら言えないようなセリフ、できない振る舞い。出せない声。そういう感情的な部分を思う存分、役を介した脚本の上で安全に出すことができる。たった3000円で!?
目の前で生み出される演技、自分と相手の相互作用...演劇関係者でもないのにこんな絶景みれるの??
プレミアムほんとに楽しいので東京近郊の人がほんとに羨ましい、お金払って演技するの楽しい〜定期的に行きたいよ〜!!!
作品、およびキャラについて
ここから先はネタバレを含むので、容認される方むけです。
あ〜台本ほしい!!
キャラと舞台設定がめちゃめちゃ良いです
人間の不確かなところにテクノロジーで介入できるとこや女性主人公であるルゥナの存在。夢か現かハッキリしないモニャっとした雰囲気大好き。
夢って深層心理を表すことでもあるみたいですし、覚醒状態では蓋をしていたことも眠りの中では容赦なく襲ってきますからね
マカロンしかり、バルバラ博士しかり、明るくてマイペースに見える人ほど色んな過去を抑え込み、結果的に悪夢を見ている?
バルバラ博士なんて、過去を引きずり雁字搦めになってる印象でした。
でも、そのうえで天才としての自覚と矜持、人間的な理性と好奇心のバランスが絶妙にマッチしている人
博士のキャラクター紹介には敵か味方かわからない、掴みどころがない感じで(ニュアンス)みたいなアドバイスがありました。
これ、自分の過去や内面に苦しんでいる自分を曝け出すのが怖いのかもしれない。あるいは真面目な自分が恥ずかしいのかな〜と考えてました。
ナイチンゲールと一緒にワイワイやってると思えば、急に冷静になってルゥナにアドバイスしたり、自分の研究については早口で息継ぎしないで言ってみたり...
自分の中にある謎の天才発明家の引き出しを必死に漁っていました。物語の始まりもバルバラ博士の台詞ですし、楽しい役をいただいたと思います
おそらく人生で1番ノビノビと楽しくテキストを読めた60分でした。
あと、自分って意外と恥ずかしがらずに振り切ったことできるんだ!と驚きました。
非日常的な、テンション振り切った演技が許容される役ですし、楽しさ100%から急に無になったり日常から徐々に悪夢に落ちて感情がグラデーションしたり...
前者はバルバラ博士が意図的に変えてるけど後者は受動的な感情の変遷。
素人目線ですが、おそらくどのキャラクターよりも心情の見せ方が多彩。この手数の多さと試行錯誤の果てしなさがバルバラ・ファントムを演じてて楽しかった要因かも
後述する他の役もすごく魅力的で担当してみたいんですが、次やるときもバルバラ・ファントムがいいな〜ってくらいには好きです。別のルゥナやスイレンを相手にすると自分の演技がどう変わっていくのか気になる。
こんなに好きになるとは思わなかった〜!幸せで辛い!!
ナイチンゲール
かわいい、かわいいんだけどタイミングを合わせるセリフや名前だけを読んで状況を表すセリフがあって掛け合いは難しかった
無機質にも思える底なしの明るさが逆にバルバラ博士の影を濃くしている気がする。
博士の狂気的な部分を体現する存在。
冒頭の講義シーン、ナイチンゲールの台詞の補足をするように話すのが好き。
ルゥナ
精神的超人だと思います。色んな思惑の中心に立ってなお燃え続ける。
オリジナルの雰囲気より幼い感じですけど、主人公っぽい芯の強い声質の方が担当されてたのでぴったりだと思いました。
物語が進むにつれ台詞にのる感情が強くなってくけど、優しさのある読み方だなと感じました。すいれんさま?の読み方めっちゃ上手くてビビリましたね。
シリウス
圧倒的な友達感。
主従関係っぽさはあるけど目線は対等。このシリウスは死んだら悲しいなぁと思う。
放課後に同級生と話してるようなフランクさでルゥナとやりとりをするシリウス、めちゃ日常パート感があって微笑ましい。
この2人かロックとマカロンのシーンだけは紅茶に手が伸びる。和むので。
ロック
担当された方の声とか容姿でなんか納得してしまう。たしかにロックだ。
声のハマり方はこの日一番だったと思います。スイレンに取り込まれそうになるもマカロンじゃなきゃダメだと言うシーン、オタクが全員好きなやつ。そして演技も良い。声が震えてビビって、すでにスイレンには簡単に逆らえないような関係になってて...名前を呼ばれたときのビクついた感じが上手すぎ
マカロン
ふわふわして気だるそうな話し方、隠しきれない愛情と強かさ。ちゃっかり勝馬を当ててる感じめっっちゃ良い。好き。
ロックとの対比になる演技だと思ったけど、根底は同じでふんわり共依存。集合写真撮るとき後ろ手を繋ぐタイプでしょ。
ノア
一音一音を丁寧に読まれる方でした、ぴったり。常にぴっしり直立不動の体制で穏やかに優しく辞令を出してくる感じ。
出番少ないけど後半の冷酷さはすごく楽しそう。スイレンとはだいぶ前から手を組んでたっぽいけど、この雰囲気じゃそうとううまくやってんだろうなぁ...
スイレン
読まれた方は俳優さんだそうです、と言われてその場の全員が納得。
音の響きが違うしセリフが光っている。良い勉強させてもらいましたし、お金払わなきゃダメでは?
スイレンのカリスマ性と暴力性を紳士的にまとめ上げていた。
ホイホイついていきたくなるような色気がダダ漏れで、ああ宗教ってこうやってハマるんだなぁと感じていた。
スイレンに暴力振るわれるバルバラ博士、どの程度余裕そうにするのかいまだに考えている。このスイレンの暴力はけっこう効きそうなんだよなぁ。
以上!
心から楽しかったし読み合わせカフェとはいえ、バルバラ博士の演技ができたのはすごく幸運な出来事でした。しつこいけどマジで好きになりました。
自分が読むのに必死で物語を追えてないとこもあるので、本編観たいし読み合わせ再チャレンジしたいなぁ。
それにしても、役のことを考えて長い時間じっくり演技をするのがこんなに楽しいとは思わなかった。稽古とかでここから掘り下げたり削ぎ落としていくのも楽しそう。公演ってなると辛いこともあるんだろうけど。
眠り病編もナイゲンもジャバウォックも行くぞ!!!